
2013年06月27日
【開催中】蛯沢博行 写真と映像・彫刻展(2)
こんにちは
前回のブログの続きです。
青森のリンゴ農家の方々とふくろうの関係、
蛯沢さんは、そのどんなところに
惹きつけられたのでしょうか。

(ブロンズに見えますが実は「紙」で出来ています。
「足の上に落ちても痛くないよ」と、蛯沢さん)
「リンゴ農家の人たちは、古いリンゴの木を
伐らずに残しておいたりする。
倒れないようにつっかえ棒したりしてね。
古い木は、実も少ないし、本当は邪魔なんだ。
でも、ふくろうが住み着くための
“うろ”(※=穴)があるから」
―それは、ふくろうを“守ろうと”してですか?
「うーん、“守る”というよりも、
単調な農作業の合間に、
ふくろうが来るのがうれしいんだろうね。
あえて何かしてるわけじゃなくて、
古い木を伐らないだけのことだから」

(古いリンゴの枝を利用し、彫られた小さな彫刻。とてもかわいい!)
自然を撮影するカメラマンの蛯沢さん。
「自然か、人か」、その2つの間で引き裂かれがちな
環境問題について、蛯沢さんのまなざしは
とてもやわらかです。
「昔、リンゴ栽培が青森の気候に
適していることがわかり、
里山を切り開いてリンゴを植えたら、
ふくろうが激減した。
ところが、畑にするのに土地を平らにしたことで、
ハタネズミが増え、それを食べるふくろうがまた
戻ってきたんだ。
どちらも、人間が生きるためにしたことで、
ふくろうのためを考えたんじゃないんだけど。
ふくろうだってしたたかだよ。
生きるチャンスを窺ってるんだ」
「人が自然を守る」というよりも、
人の営みも生態系の大きなつながりの一部に、
本当は組み込まれているのでしょう。
「人と自然の折り合うところ」
それを見つめるのが好きなんです、と
蛯沢さんは仰います。
そんな蛯沢さんが撮りためた写真や映像、
そして、「写真撮るのと違って欲がない」気持ちで
作られたたくさんのふくろうたちの像は、
この時代に生きる私たちの心に
大きな深呼吸をさせてくれるような気がします。
「来た人が、のんびりした気持ちになれるといいなあ」
そう仰る蛯沢さん。
ぜひ、期間中に足をお運びいただき、
蛯沢さんの見た自然と動物のお話に、
耳を傾けてみてください。
(7月2日(火) 5日(金) 9日(火)は休館日です)

(お世話になったリンゴ農家さんとのつながりで生まれたものたち。
リンゴを保護するネットに、ふくろうが入ったかわいい作品も)

前回のブログの続きです。
青森のリンゴ農家の方々とふくろうの関係、
蛯沢さんは、そのどんなところに
惹きつけられたのでしょうか。

(ブロンズに見えますが実は「紙」で出来ています。
「足の上に落ちても痛くないよ」と、蛯沢さん)
「リンゴ農家の人たちは、古いリンゴの木を
伐らずに残しておいたりする。
倒れないようにつっかえ棒したりしてね。
古い木は、実も少ないし、本当は邪魔なんだ。
でも、ふくろうが住み着くための
“うろ”(※=穴)があるから」
―それは、ふくろうを“守ろうと”してですか?
「うーん、“守る”というよりも、
単調な農作業の合間に、
ふくろうが来るのがうれしいんだろうね。
あえて何かしてるわけじゃなくて、
古い木を伐らないだけのことだから」

(古いリンゴの枝を利用し、彫られた小さな彫刻。とてもかわいい!)
自然を撮影するカメラマンの蛯沢さん。
「自然か、人か」、その2つの間で引き裂かれがちな
環境問題について、蛯沢さんのまなざしは
とてもやわらかです。
「昔、リンゴ栽培が青森の気候に
適していることがわかり、
里山を切り開いてリンゴを植えたら、
ふくろうが激減した。
ところが、畑にするのに土地を平らにしたことで、
ハタネズミが増え、それを食べるふくろうがまた
戻ってきたんだ。
どちらも、人間が生きるためにしたことで、
ふくろうのためを考えたんじゃないんだけど。
ふくろうだってしたたかだよ。
生きるチャンスを窺ってるんだ」
「人が自然を守る」というよりも、
人の営みも生態系の大きなつながりの一部に、
本当は組み込まれているのでしょう。
「人と自然の折り合うところ」
それを見つめるのが好きなんです、と
蛯沢さんは仰います。
そんな蛯沢さんが撮りためた写真や映像、
そして、「写真撮るのと違って欲がない」気持ちで
作られたたくさんのふくろうたちの像は、
この時代に生きる私たちの心に
大きな深呼吸をさせてくれるような気がします。
「来た人が、のんびりした気持ちになれるといいなあ」
そう仰る蛯沢さん。
ぜひ、期間中に足をお運びいただき、
蛯沢さんの見た自然と動物のお話に、
耳を傾けてみてください。
(7月2日(火) 5日(金) 9日(火)は休館日です)

(お世話になったリンゴ農家さんとのつながりで生まれたものたち。
リンゴを保護するネットに、ふくろうが入ったかわいい作品も)
2013年06月27日
【開催中】蛯沢博行 写真と映像・彫刻展(1)
みなさん、こんにちは
過去10年の作家の方々に出展いただいた
「ギャラリー20周年展」も無事終了し、
わたむきホール虹の美術ギャラリーも、
新しいシーズンの幕開けです。

蛯沢 博行 写真と映像・彫刻展
「賢者たちよ!
~ふくろうに魅せられて~」
(6月26日(土)~7月14日(日))
写真家、蛯沢博行さんによる、
主に「ふくろう」をモデルにした、写真・映像・各種立体の
大変ユニークかつ貴重な展示です。
蛯沢さんは青森県弘前市のご出身。
3年前、「そろそろ雪の少ない場所で暮らしたい」と
ここ滋賀の日野町に移住して来られました。
今回は、ブログ用のインタビューで大変素敵なお話を聴かせていただきました。
それを編集で削るのが心苦しかったため、
特別に2回に分けてお送りします!
蛯沢博行さんです

会期中は奥様とともに、
会場で皆様をお迎え下さるとのこと。
「ふくろう」についての展示ということで、
ふくろうに関する質問メモを握りしめ、
蛯沢さんと奥様のもとに向かうと、
展示作品のひとつ、蛯沢さんが撮影した
「動物たちの映像」を見ながら、
お二人が笑っていらっしゃいました。
青森県の高速道路の傍で見つけた、
「キツネとカワセミの巣穴が隣り合っている様子」
の映像を見ていらっしゃるのでした。
カワセミの動きに慌ててついて行くカメラ。
「(津軽弁のアクセントで)だ~めだな。
こんな撮り方はカメラマン失格だな
」
蛯沢さんは地域とその自然に密着して
被写体を追い続けるカメラマンとして、
NHKをはじめとするテレビ局に、映像の提供をされています。
会場では蛯沢さんの映像で構成された番組を見ることができます。

(「(大切すぎて)テレビ局に提供してない」超貴重な動物映像もあります!)
蛯沢さんと奥様の心地よい津軽弁の解説を聞きながら
さらに「ニホンカモシカ」の映像を鑑賞すること数分。
まるでハスキー犬のように鋭く精悍な
カモシカの表情が本当に素敵なのですが、
あの、そろそろ「ふくろう」のお話を…
「そう、いろいろな動物を撮ったあとで、
夜の生き物の頂点、ふくろうにやっと出会ったの。」
蛯沢さんがふくろうに魅せられ、
写真を撮り始めたのは15年ほど前。
その容姿の愛らしさ、猛禽類として生きる力強さ、また、
「夜に狩りをするという性質から、
羽音がしないように翼が風を通すようになっている」
「眼球を動かすことができないので、
首を動かして様々な方向のものを見る」
などの生態の不思議さなど、
ふくろうの魅力は尽きません。
しかし蛯沢さんをより深く「ふくろう」に向かわせたのは、
青森のリンゴ農家を営む方々と、
ふくろうの関係性だったそうです。
(つづく)

(会場には木彫りの愛らしいふくろうがたくさん。
「撮影の待ち時間にひまだったから」彫りはじめたのだそうです)

(会場では蛯沢さんが、のんびり木を彫りながら出迎えてくださいます)

過去10年の作家の方々に出展いただいた
「ギャラリー20周年展」も無事終了し、
わたむきホール虹の美術ギャラリーも、
新しいシーズンの幕開けです。

蛯沢 博行 写真と映像・彫刻展
「賢者たちよ!
~ふくろうに魅せられて~」
(6月26日(土)~7月14日(日))
写真家、蛯沢博行さんによる、
主に「ふくろう」をモデルにした、写真・映像・各種立体の
大変ユニークかつ貴重な展示です。
蛯沢さんは青森県弘前市のご出身。
3年前、「そろそろ雪の少ない場所で暮らしたい」と
ここ滋賀の日野町に移住して来られました。
今回は、ブログ用のインタビューで大変素敵なお話を聴かせていただきました。
それを編集で削るのが心苦しかったため、
特別に2回に分けてお送りします!
蛯沢博行さんです


会期中は奥様とともに、
会場で皆様をお迎え下さるとのこと。
「ふくろう」についての展示ということで、
ふくろうに関する質問メモを握りしめ、
蛯沢さんと奥様のもとに向かうと、
展示作品のひとつ、蛯沢さんが撮影した
「動物たちの映像」を見ながら、
お二人が笑っていらっしゃいました。
青森県の高速道路の傍で見つけた、
「キツネとカワセミの巣穴が隣り合っている様子」
の映像を見ていらっしゃるのでした。
カワセミの動きに慌ててついて行くカメラ。
「(津軽弁のアクセントで)だ~めだな。
こんな撮り方はカメラマン失格だな

蛯沢さんは地域とその自然に密着して
被写体を追い続けるカメラマンとして、
NHKをはじめとするテレビ局に、映像の提供をされています。
会場では蛯沢さんの映像で構成された番組を見ることができます。

(「(大切すぎて)テレビ局に提供してない」超貴重な動物映像もあります!)
蛯沢さんと奥様の心地よい津軽弁の解説を聞きながら
さらに「ニホンカモシカ」の映像を鑑賞すること数分。
まるでハスキー犬のように鋭く精悍な
カモシカの表情が本当に素敵なのですが、
あの、そろそろ「ふくろう」のお話を…

「そう、いろいろな動物を撮ったあとで、
夜の生き物の頂点、ふくろうにやっと出会ったの。」
蛯沢さんがふくろうに魅せられ、
写真を撮り始めたのは15年ほど前。
その容姿の愛らしさ、猛禽類として生きる力強さ、また、
「夜に狩りをするという性質から、
羽音がしないように翼が風を通すようになっている」
「眼球を動かすことができないので、
首を動かして様々な方向のものを見る」
などの生態の不思議さなど、
ふくろうの魅力は尽きません。
しかし蛯沢さんをより深く「ふくろう」に向かわせたのは、
青森のリンゴ農家を営む方々と、
ふくろうの関係性だったそうです。
(つづく)

(会場には木彫りの愛らしいふくろうがたくさん。
「撮影の待ち時間にひまだったから」彫りはじめたのだそうです)

(会場では蛯沢さんが、のんびり木を彫りながら出迎えてくださいます)