
2014年03月26日
最高の一日!! 「W-D4ワンマンライブ」レポート
みなさんこんにちは
前回に引き続き、わたむきホール虹の
“濃い!レポート”シリーズです。
第2弾の本日は、先日大成功のうちに終了した、
「W-D4ワンマンライブ」のご報告を
たーっぷり
お届けいたします!
2014年3月21日金曜日、祝日。
待望の「W-D4ワンマンライブ」当日は、
みぞれが風とともに吹きつける、なかなかのお天気

しかし、そんな寒い一日にもかかわらず、
本番前にはチケットを手にしたお客様の
長い長い列が会場前に出来上がっていました。
それにしても驚くのは、W-D4のライブに参加する
方々の、年齢層の幅広さです。
彼らと同世代のお客様はもちろん、
上は彼らのお祖父さん、お祖母さん世代の方々、
下は小学生や中学生の皆さんまで。
ロックバンドのライブでこんな光景は、
今まで見たことがありません。
さあ、いよいよ本番です。
暗くなる照明、「これから何がはじまるんだろう」と
ドキドキさせる、スリリングな効果音。
会場のボルテージは最高潮です。
W-D4、登場!!

1曲目、彼らの代表曲のひとつ「GET RIDE」
バンドの演奏とともに3人のダンサーが
ステージを華やかに盛り上げます。
(ダンサーが写っている写真じゃなくてごめんなさい!)
疾走感と心地よいリズムが絶妙なバランスで調和した、
W-D4流の“ダンスナンバー”です。
3曲が終了し、MCが入ります。

ベースのyows-kさんが
お客様でいっぱいの会場を見渡し、
「もう、出てきたときからめっちゃ鳥肌なんですけどね」。
そうなんです。わたむきホール虹は彼らのキャリア史上、
ワンマンでは最大の会場であり、
この日の観客動員数も過去最高となります。
続いてギターのKONさんのMC。
「あの…僕、今日は皆さんに
謝らないといけないことがあります。
今日、寒かったですよね?」
すかさずボーカルSmith11さんが、
「俺、今日起きて外見たとたん、
お前にものすごい腹立った」
…ライブ悪天候の原因は、どうもKONさんだと
されているようです(雨男でしょうか?)。
それにしても、この日の4人は、いつにも増して
姿が大きく見えました。
ライブの告知文では、
「3月21日、ぜひ生で彼らの雄姿を目撃してください!」
という文章を何度も書いてきましたが、
まさに“雄姿”と言いたいような堂々たるパフォーマンス。
フロントマンという役割を一身に引き受け
会場の気持ちを全身でひとつにまとめあげていく
ボーカル Smith11 さん。

あまり感情が表に出ない感じに見えて、
実は誰より熱いものを秘めている事が伝わるギタリスト
KONさん。
(わたむきホール虹に遊びにきてくれた際、
山崎まさよしさんのポスターに貼られた「SOLD OUT」
のステッカーを見て、
「俺らもこれ貼りたいっすよね」と言ったのはKONさんでした)

Smith11さんが「バンドの柱」と形容した気配りの人、
yows-kさん。
バンドの音をしっかりと支えながらも、
心の底から楽しそうなベースプレイが印象的でした。

そんなメンバーたちを一番後ろで
(しかし一番高いかっこいい場所で!)
にこにこしながら見守りリズムを刻み続けていた
ドラマー、Roshiさん。

ライブは後半に入り、
彼らの持つ多種多様な楽曲のカラーが
次々に立ち現われてはステージを染めていきます。
それに合わせてステージ照明も
色とりどりに変化します。
リハーサル時、バンドのメンバーに
「やばいっす」「照明やばいっす」を連発させた
W-D4のための最高のステージ照明を
ほんの少しだけ、ご覧ください。



(ミラーボールもあったんです!)
「駆け抜ける」という表現がぴったりの勢いで
本編を終えた彼ら。
お客様からは当然すぎるといわんばかりに、
アンコールの手拍子がすぐにわき起こります。
再びステージにW-D4が登場します。
ここで、この日事情により、
わたむきホール虹のステージに立てなかった
ダンサーのメンバーが紹介されました。
客席でステージを見守っていた彼女。
ステージ上のバンド、そしてダンスチームのメンバー
全員が彼女にわたむきホール虹の
ステージに立って欲しかったのだと思います。
1人のために全員が涙を流す姿は、
この日最も忘れがたいシーンのひとつとなりました。
そして「one love」が演奏されます。
客席がバンドの思いに応えるように
サビのフレーズを歌います。
ボブ・マーリーの名曲にも同じタイトルの「one love」
がありますが、
この日わたむきホール虹の会場をひとつにしたのは
間違いなくW‐D4の「one love」でした。

「この日ここにいる誰ひとり欠けても成立しなかった
最高のライブ」
Smith11さんがそう宣言した、わたむきホール虹の
「W-D4ワンマンライブ」。
名残惜しいですが、これで本当のフィナーレです。
アンコールのラストは、もちろん名曲「thankful」。
「ありがとう」のリフレインがずっと終わらないように
感じる時間でした。
終演後、年配の女性のお客様から
「本当に良いものを見せていただきました。ありがとう」
とのお言葉を預かりました。
この言葉はW-D4のメンバーにそのまま
届けたいと思います。
バンドのライブを見に来るというのは、
年齢も、音楽の好みも実は関係ないことなんですね。
バンドって、誰もを巻き込みたいぐらい
最高に楽しくて、とにかく素敵なことなのだと、
完全に、彼らに教えられた最高の一日でした!
W-D4の皆さん、今より何回りも大きくなって、
絶対にまた、
わたむきホール虹のステージに
帰ってきてくださいね!
心よりお待ちしています!!

(また会いましょう!)

前回に引き続き、わたむきホール虹の
“濃い!レポート”シリーズです。
第2弾の本日は、先日大成功のうちに終了した、
「W-D4ワンマンライブ」のご報告を
たーっぷり

2014年3月21日金曜日、祝日。
待望の「W-D4ワンマンライブ」当日は、
みぞれが風とともに吹きつける、なかなかのお天気

しかし、そんな寒い一日にもかかわらず、
本番前にはチケットを手にしたお客様の
長い長い列が会場前に出来上がっていました。
それにしても驚くのは、W-D4のライブに参加する
方々の、年齢層の幅広さです。
彼らと同世代のお客様はもちろん、
上は彼らのお祖父さん、お祖母さん世代の方々、
下は小学生や中学生の皆さんまで。
ロックバンドのライブでこんな光景は、
今まで見たことがありません。
さあ、いよいよ本番です。
暗くなる照明、「これから何がはじまるんだろう」と
ドキドキさせる、スリリングな効果音。
会場のボルテージは最高潮です。
W-D4、登場!!

1曲目、彼らの代表曲のひとつ「GET RIDE」
バンドの演奏とともに3人のダンサーが
ステージを華やかに盛り上げます。
(ダンサーが写っている写真じゃなくてごめんなさい!)
疾走感と心地よいリズムが絶妙なバランスで調和した、
W-D4流の“ダンスナンバー”です。
3曲が終了し、MCが入ります。

ベースのyows-kさんが
お客様でいっぱいの会場を見渡し、
「もう、出てきたときからめっちゃ鳥肌なんですけどね」。
そうなんです。わたむきホール虹は彼らのキャリア史上、
ワンマンでは最大の会場であり、
この日の観客動員数も過去最高となります。
続いてギターのKONさんのMC。
「あの…僕、今日は皆さんに
謝らないといけないことがあります。
今日、寒かったですよね?」
すかさずボーカルSmith11さんが、
「俺、今日起きて外見たとたん、
お前にものすごい腹立った」
…ライブ悪天候の原因は、どうもKONさんだと
されているようです(雨男でしょうか?)。
それにしても、この日の4人は、いつにも増して
姿が大きく見えました。
ライブの告知文では、
「3月21日、ぜひ生で彼らの雄姿を目撃してください!」
という文章を何度も書いてきましたが、
まさに“雄姿”と言いたいような堂々たるパフォーマンス。
フロントマンという役割を一身に引き受け
会場の気持ちを全身でひとつにまとめあげていく
ボーカル Smith11 さん。

あまり感情が表に出ない感じに見えて、
実は誰より熱いものを秘めている事が伝わるギタリスト
KONさん。
(わたむきホール虹に遊びにきてくれた際、
山崎まさよしさんのポスターに貼られた「SOLD OUT」
のステッカーを見て、
「俺らもこれ貼りたいっすよね」と言ったのはKONさんでした)

Smith11さんが「バンドの柱」と形容した気配りの人、
yows-kさん。
バンドの音をしっかりと支えながらも、
心の底から楽しそうなベースプレイが印象的でした。

そんなメンバーたちを一番後ろで
(しかし一番高いかっこいい場所で!)
にこにこしながら見守りリズムを刻み続けていた
ドラマー、Roshiさん。

ライブは後半に入り、
彼らの持つ多種多様な楽曲のカラーが
次々に立ち現われてはステージを染めていきます。
それに合わせてステージ照明も
色とりどりに変化します。
リハーサル時、バンドのメンバーに
「やばいっす」「照明やばいっす」を連発させた
W-D4のための最高のステージ照明を
ほんの少しだけ、ご覧ください。



(ミラーボールもあったんです!)
「駆け抜ける」という表現がぴったりの勢いで
本編を終えた彼ら。
お客様からは当然すぎるといわんばかりに、
アンコールの手拍子がすぐにわき起こります。
再びステージにW-D4が登場します。
ここで、この日事情により、
わたむきホール虹のステージに立てなかった
ダンサーのメンバーが紹介されました。
客席でステージを見守っていた彼女。
ステージ上のバンド、そしてダンスチームのメンバー
全員が彼女にわたむきホール虹の
ステージに立って欲しかったのだと思います。
1人のために全員が涙を流す姿は、
この日最も忘れがたいシーンのひとつとなりました。
そして「one love」が演奏されます。
客席がバンドの思いに応えるように
サビのフレーズを歌います。
ボブ・マーリーの名曲にも同じタイトルの「one love」
がありますが、
この日わたむきホール虹の会場をひとつにしたのは
間違いなくW‐D4の「one love」でした。

「この日ここにいる誰ひとり欠けても成立しなかった
最高のライブ」
Smith11さんがそう宣言した、わたむきホール虹の
「W-D4ワンマンライブ」。
名残惜しいですが、これで本当のフィナーレです。
アンコールのラストは、もちろん名曲「thankful」。
「ありがとう」のリフレインがずっと終わらないように
感じる時間でした。
終演後、年配の女性のお客様から
「本当に良いものを見せていただきました。ありがとう」
とのお言葉を預かりました。
この言葉はW-D4のメンバーにそのまま
届けたいと思います。
バンドのライブを見に来るというのは、
年齢も、音楽の好みも実は関係ないことなんですね。
バンドって、誰もを巻き込みたいぐらい
最高に楽しくて、とにかく素敵なことなのだと、
完全に、彼らに教えられた最高の一日でした!
W-D4の皆さん、今より何回りも大きくなって、
絶対にまた、
わたむきホール虹のステージに
帰ってきてくださいね!
心よりお待ちしています!!

(また会いましょう!)
2014年03月24日
【開催中】癒しの風景 中村憲一 写真展
みなさん、こんにちは
暖かくなったと思ったら雪が降り、
咲き出した桜も「え~!
」と思っていそうな
春の捉えどころのないお天気。
体調には充分お気を付けになってくださいね!
さて、前回のブログ更新から
若干間が空いてしまいました
そのお詫びとして、今回と次回の2回は
いつも以上に内容のぎっしり詰まった
“濃い!”レポートをお届けいたします。
日野町の文化発信基地わたむきホール虹では
時には静かに、ある時にはにぎやかに
たえずドラマチックなことが進行しているんです!
さて、その“濃い!レポート第1弾”。
まずは美術ギャラリーの新しい展示のご紹介です。
癒しの風景 中村憲一 写真展
~湖国と周辺府県の
心癒される風景~
3月20日(木)~4月6日(日)

新聞記者のお仕事を退職され、
現在は写真を撮る活動をなさっている
中村憲一さんの写真展です。
元新聞記者で、しかも美しい写真を撮られる方に、
インタビューし、お姿を撮影させて頂くというのは
正直なところ、少し緊張するお仕事でした。
しかし、「お写真を撮らせてください」との申し出を
快く引き受けてくださった後で、
中村さんはこんな風に仰いました。
「取材したり撮影するほうはいいんだけど、
されるほうは慣れてなくて、緊張するね」

(中村憲一さん。レンズから視線は外されていますが柔らかな表情を下さいました)
まず、新聞記者のお仕事をされていた時と、
退職された現在とで撮影されるお写真には
どんな違いがあるのでしょうか、とお聞きしてみました。
(中村さん)「新聞の写真というのは、人が入ってないと
だめなんですよ。例えばお祭りを取材しに行って、
山車だけ撮って、人がいなかったら変でしょう。
その写真は現役の時にもうやったのでね。
今は風景の写真を、こう、写真を見た人が癒される
ようなものを撮りたいと」
その言葉の通り、中村さんの写真は全て
人物のほとんど写っていない、風景写真です。
そこにおさめられているのは、
写真を趣味とする方々ならばおそらく
ため息をつかれるのではないかと思うような
“風景”が見せる、あまりにも美しい表情の数々。
そして、今回の展示の中でもひときわ目をひく
作品のひとつが
“日本のマチュピチュ”として話題の
兵庫県の竹田城を撮影した写真です。

(「天空の城」)
「この写真を撮るのには、5年かかりました。
5年間で25回、片道100kmの道を通った。
それで撮れなくて、また100kmを帰ってくるの(笑)
9月から10月の朝の日の出の時間を狙うんです。
はじめのほうは、反対側の山から撮ってたんだけど
逆光が石垣のほうに照って白けちゃうんで、
このアングルになった」
-この写真が撮れたときは…-
「それは、鳥肌がたちましたよ。
山を登っていって、この風景が目の前に
広がっているのを見たときには」
早朝、たったお一人でカメラを手に山を登り
燃える朝焼けと雲海をゆく巨大な船のような
古城の姿に対峙された瞬間のお気持ち…。
お話をされる中村さんの表情から
「言葉につくせないもの」が伝わってくるようでした。
5年かかって1枚の写真を撮影することもあれば
その反対にこんなこともあるそうです。

(「錦秋たけなわ」)
「これはね、(青空の)青が入っているんですけど
この場所の11月頃は、天気がだめかもと思っていて。
だけど、滞在していた時にちょうど高気圧が来ていて
この日しかないと思って行ったら、これが撮れた。
湖面も揺れなくて、鏡のようになって。
はじめて行った場所だったんで、非常にラッキーでした」
写真とは、「その時その場所、その瞬間にしかない」
事物を捉えるものだと頭ではわかっていても
実際に目の前にいつやってくるかわからないものを
常に“待つ”態勢でいるには、
物事に対する姿勢を少し変える必要があるのかも・・・。
中村さんのお話を伺いながら、そんなことを思いました。
自分の考え通りに予定を進めるのではなく
被写体が常に見せる変化のほうに
たえず自分を合わせていかなければ
いい写真は撮れないようです。

(「赤色の参道」)
「この写真は、天気の悪い時に撮ったんですよ。
“天気が悪い”というのは、嵐が来た後なんだけど。
この場所の紅葉の時期を頭に入れておいて、
下見もして、
で、紅葉の盛りの時期に嵐が来た。
翌日、朝早くまだ誰も足を踏み入れてない時間に
こういう景色が撮れるだろうと思って行ったんですね」
-では、ある程度事前に撮りたいものをイメージして…-
「そうですね。イメージもして。
ただ、自然に枯れ落ちたものではこの景色に
ならないので…。
紅葉の途中で嵐によって葉が落ちた、
しかも時間がたっていない、
その時じゃないとこの赤は撮れないです」
紅葉の盛りの葉が嵐によって強引に散らされてしまう。
そしてまだ人の起きだしていない
早朝の静まりかえった時間。
この時、この鮮烈な赤い光景を見ていたのは
神様と、カメラを手にした中村さんだけだったのかも
しれません。
「僕ね、この写真も好きなんですよ」
そう言って、中村さんが自ら指し示してくださったのが
この写真です。

(「師走の柿畑」)
「何か不思議でしょう(笑)
米原の写真なんですけど、
雪景色の中で、完熟の柿の実が、
枝にたくさんなっている。
しかも、虫に食われたり鳥につつかれてなくて
きれいなんですよ。
渋柿を、豊作で地元の人が採りきれなくて、
そのままにされていたらしいですが」

(雪の中の柿の実がきれいでつやつやしている様子が、不思議に非日常的です)
-こういった写真を地元の米原の方がご覧になると
どのような反応をされるのですか?-
「いや…。
米原に住んでいる友人が、家に飾ってくれてるんですが
近所の人も見に来てくれるらしいです。
…どうなんだろうね」
“地元の方の反応”というところで、
中村さんはとても“照れた”表情をなさいました。
そして、中村さんが労を惜しまず、
美しい風景写真を撮影される原動力となる、その
動機について、お話はゆっくりと進んでいきました。
「何というか、こういう、地元の景色だとか
有名な場所で、“行ったことがある”景色を見ると
人は何か感じてくれると思うんです。
『ここはこんな綺麗な場所だったか』とか…。
それが“癒し”につながるんじゃないかと。
実は私の娘が、フルートで音楽療法のようなことも
しているんです。
それで、自分も写真でそんなことができないかと
思ってね」

美しい景色を見て癒される。
雑誌やテレビの特集でも、そんなタイトルをよく目には
しますが、
中村さんが写真にこめられたものを伺っているうちに
最近読んだ本に書かれてあったことを思い出しました。
古い漢語では、人々がその「かけがえのなさ」に
気づかずにいるものに注意を促し、
その価値を再認識させる言葉の働きを
「祝」というのだそうです。
また、古代の中国では、病気になったとき、
大河の流れる凄まじい姿、花の咲き乱れる姿、
そんなこの世界の美しい風景を歌い上げることで
病を治すという方法があったそうです。
この世界が時折見せてくれる、
言葉で表現できないような美しい景色。
誰もが簡単に見られるわけではないそんな光景を
フレームにおさめ、全ての人とわかち合いたいと
願われる中村さんの写真には、
言葉のおおもとの意味での
「癒し」が息づいているのかもしれません。
この春はわたむきホール虹の美術ギャラリーにて
中村さんのカメラが捉えた美しい風景に
ぜひ、目と心を預けに来ていただきたいと思います!

(会場は、中村さんの写真に囲まれてリラックスできるレイアウトになっていますよ)
(3月25日(火)、4月1日(火)は休館日です)

暖かくなったと思ったら雪が降り、
咲き出した桜も「え~!

春の捉えどころのないお天気。
体調には充分お気を付けになってくださいね!
さて、前回のブログ更新から
若干間が空いてしまいました

そのお詫びとして、今回と次回の2回は
いつも以上に内容のぎっしり詰まった
“濃い!”レポートをお届けいたします。
日野町の文化発信基地わたむきホール虹では
時には静かに、ある時にはにぎやかに
たえずドラマチックなことが進行しているんです!
さて、その“濃い!レポート第1弾”。
まずは美術ギャラリーの新しい展示のご紹介です。
癒しの風景 中村憲一 写真展
~湖国と周辺府県の
心癒される風景~
3月20日(木)~4月6日(日)

新聞記者のお仕事を退職され、
現在は写真を撮る活動をなさっている
中村憲一さんの写真展です。
元新聞記者で、しかも美しい写真を撮られる方に、
インタビューし、お姿を撮影させて頂くというのは
正直なところ、少し緊張するお仕事でした。
しかし、「お写真を撮らせてください」との申し出を
快く引き受けてくださった後で、
中村さんはこんな風に仰いました。
「取材したり撮影するほうはいいんだけど、
されるほうは慣れてなくて、緊張するね」

(中村憲一さん。レンズから視線は外されていますが柔らかな表情を下さいました)
まず、新聞記者のお仕事をされていた時と、
退職された現在とで撮影されるお写真には
どんな違いがあるのでしょうか、とお聞きしてみました。
(中村さん)「新聞の写真というのは、人が入ってないと
だめなんですよ。例えばお祭りを取材しに行って、
山車だけ撮って、人がいなかったら変でしょう。
その写真は現役の時にもうやったのでね。
今は風景の写真を、こう、写真を見た人が癒される
ようなものを撮りたいと」
その言葉の通り、中村さんの写真は全て
人物のほとんど写っていない、風景写真です。
そこにおさめられているのは、
写真を趣味とする方々ならばおそらく
ため息をつかれるのではないかと思うような
“風景”が見せる、あまりにも美しい表情の数々。
そして、今回の展示の中でもひときわ目をひく
作品のひとつが
“日本のマチュピチュ”として話題の
兵庫県の竹田城を撮影した写真です。

(「天空の城」)
「この写真を撮るのには、5年かかりました。
5年間で25回、片道100kmの道を通った。
それで撮れなくて、また100kmを帰ってくるの(笑)
9月から10月の朝の日の出の時間を狙うんです。
はじめのほうは、反対側の山から撮ってたんだけど
逆光が石垣のほうに照って白けちゃうんで、
このアングルになった」
-この写真が撮れたときは…-
「それは、鳥肌がたちましたよ。
山を登っていって、この風景が目の前に
広がっているのを見たときには」
早朝、たったお一人でカメラを手に山を登り
燃える朝焼けと雲海をゆく巨大な船のような
古城の姿に対峙された瞬間のお気持ち…。
お話をされる中村さんの表情から
「言葉につくせないもの」が伝わってくるようでした。
5年かかって1枚の写真を撮影することもあれば
その反対にこんなこともあるそうです。

(「錦秋たけなわ」)
「これはね、(青空の)青が入っているんですけど
この場所の11月頃は、天気がだめかもと思っていて。
だけど、滞在していた時にちょうど高気圧が来ていて
この日しかないと思って行ったら、これが撮れた。
湖面も揺れなくて、鏡のようになって。
はじめて行った場所だったんで、非常にラッキーでした」
写真とは、「その時その場所、その瞬間にしかない」
事物を捉えるものだと頭ではわかっていても
実際に目の前にいつやってくるかわからないものを
常に“待つ”態勢でいるには、
物事に対する姿勢を少し変える必要があるのかも・・・。
中村さんのお話を伺いながら、そんなことを思いました。
自分の考え通りに予定を進めるのではなく
被写体が常に見せる変化のほうに
たえず自分を合わせていかなければ
いい写真は撮れないようです。

(「赤色の参道」)
「この写真は、天気の悪い時に撮ったんですよ。
“天気が悪い”というのは、嵐が来た後なんだけど。
この場所の紅葉の時期を頭に入れておいて、
下見もして、
で、紅葉の盛りの時期に嵐が来た。
翌日、朝早くまだ誰も足を踏み入れてない時間に
こういう景色が撮れるだろうと思って行ったんですね」
-では、ある程度事前に撮りたいものをイメージして…-
「そうですね。イメージもして。
ただ、自然に枯れ落ちたものではこの景色に
ならないので…。
紅葉の途中で嵐によって葉が落ちた、
しかも時間がたっていない、
その時じゃないとこの赤は撮れないです」
紅葉の盛りの葉が嵐によって強引に散らされてしまう。
そしてまだ人の起きだしていない
早朝の静まりかえった時間。
この時、この鮮烈な赤い光景を見ていたのは
神様と、カメラを手にした中村さんだけだったのかも
しれません。
「僕ね、この写真も好きなんですよ」
そう言って、中村さんが自ら指し示してくださったのが
この写真です。

(「師走の柿畑」)
「何か不思議でしょう(笑)
米原の写真なんですけど、
雪景色の中で、完熟の柿の実が、
枝にたくさんなっている。
しかも、虫に食われたり鳥につつかれてなくて
きれいなんですよ。
渋柿を、豊作で地元の人が採りきれなくて、
そのままにされていたらしいですが」

(雪の中の柿の実がきれいでつやつやしている様子が、不思議に非日常的です)
-こういった写真を地元の米原の方がご覧になると
どのような反応をされるのですか?-
「いや…。
米原に住んでいる友人が、家に飾ってくれてるんですが
近所の人も見に来てくれるらしいです。
…どうなんだろうね」
“地元の方の反応”というところで、
中村さんはとても“照れた”表情をなさいました。
そして、中村さんが労を惜しまず、
美しい風景写真を撮影される原動力となる、その
動機について、お話はゆっくりと進んでいきました。
「何というか、こういう、地元の景色だとか
有名な場所で、“行ったことがある”景色を見ると
人は何か感じてくれると思うんです。
『ここはこんな綺麗な場所だったか』とか…。
それが“癒し”につながるんじゃないかと。
実は私の娘が、フルートで音楽療法のようなことも
しているんです。
それで、自分も写真でそんなことができないかと
思ってね」

美しい景色を見て癒される。
雑誌やテレビの特集でも、そんなタイトルをよく目には
しますが、
中村さんが写真にこめられたものを伺っているうちに
最近読んだ本に書かれてあったことを思い出しました。
古い漢語では、人々がその「かけがえのなさ」に
気づかずにいるものに注意を促し、
その価値を再認識させる言葉の働きを
「祝」というのだそうです。
また、古代の中国では、病気になったとき、
大河の流れる凄まじい姿、花の咲き乱れる姿、
そんなこの世界の美しい風景を歌い上げることで
病を治すという方法があったそうです。
この世界が時折見せてくれる、
言葉で表現できないような美しい景色。
誰もが簡単に見られるわけではないそんな光景を
フレームにおさめ、全ての人とわかち合いたいと
願われる中村さんの写真には、
言葉のおおもとの意味での
「癒し」が息づいているのかもしれません。
この春はわたむきホール虹の美術ギャラリーにて
中村さんのカメラが捉えた美しい風景に
ぜひ、目と心を預けに来ていただきたいと思います!

(会場は、中村さんの写真に囲まれてリラックスできるレイアウトになっていますよ)
(3月25日(火)、4月1日(火)は休館日です)
2014年03月06日
おうみ狂言図鑑2014(日野公演)会場レポート!!
こんにちは!
気がつけばもう3月
なのですね~。
この間、京都の高瀬川沿いの
柳の枝に葉っぱがちらほら、
顔を出しているのを発見しましたよ
さて、時間を10日ほど巻き戻して、
2月23日(日)のお話です。
このブログでも何度かお伝えした
「おうみ狂言図鑑2014」の
わたむきホール虹公演が無事終了いたしました。

会場に足をお運び下さった皆さま、
本当に、ありがとうございました。
しかし、「おうみ狂言図鑑2014」自体は
同じく終了した愛荘公演をのぞいて、
3月9日(日)の彦根公演、
そして3月23日(日)の東近江公演が
まだ控えています。
2公演とも、それぞれの会場でしか体験できない
見どころが満載!
なので、ひと足先に終了したわたむきホール虹の
会場レポートを見ていただき、
さらに、狂言の魅力を皆さまに
アピールしたいと思います!!
2月23日(日)、心配していた雪もふらず
幸先のいい「おうみ狂言図鑑2014」初日でした。
いよいよ本番、本ベルが鳴り、
ステージ上の能舞台が明るくなります。
そして登場したのがこの方…。

茂山茂さん。
茂山家の若手花形役者のお一人です。
この「おうみ狂言図鑑2014」では、
狂言をわかりやすく鑑賞してもらうため、
演目の前に、こうして役者さんによる解説が入ります。
(ちなみに、古典演目2作品と出演者、
そして解説の役者さんは会場ごとに変わります)
この役目、茂山家の衣装管理を完璧にこなすという
真面目で頼れる茂さんにぴったり!な気がします。
そしてお待ちかね。
古典演目の「二人大名」です。

左より茂山七五三さん、丸石やすしさん、
茂山あきらさん。
最初の演目から、茂山家を代表する
名優たちの登場です。豪華!!
お話は、都に上る途中の大名二人が
旅の途中で出会った男を家来に見立て、
刀を持たせたことから始まる一騒動。
役者さん三人の台詞まわし、呼吸の合い方は
もう名人芸です。
これが観られて嬉しいとしみじみ思うような舞台でした。
そして、次の古典演目「柿山伏」。

修行帰りの山伏。お腹がすいたので
そばの柿の木に登って柿を取っていると、
畑の主がそれを見つけます。
「よし、あの山伏をからかってやろう」と
畑の主は考えて・・・。
山伏は茂山童司さん。
その“センス”としか言えない台詞のテンポ、
そして動きの小気味よさで、
尊大な山伏を愛すべきキャラクターにしてしまいます。
増田浩紀さん演じる畑の主とのやりとりが楽しい!
古典2演目が終了し、いよいよ新作狂言の登場です。
つ・い・に!ベールを脱ぐときがきた、
2014年の新作狂言「安土城ひみつ会議」。
茂山家若手花形役者4名が演じる、
“パラレル大河狂言”。
さてさてその驚愕の内容は・・・!?
…と、このまま話を進めたいところなのですが、
あと2公演控えているので、
詳しいことはやはり「ひみつ」です。ごめんなさい。
そのかわり、登場人物を演じる役者さんの
写真を大公開してしまいます!
特に茂山家ファンの皆さま、これは要チェックですよ!
まず、シテ「明智ひでみつ」を演じるのは
茂山正邦さん。

そして「羽柴ひできち」を演じるのは、
おなじみ茂山宗彦さん。

日野出身の武将「蒲生氏郷」ならぬ、
「蒲生さとうじ」を演じる、茂山茂さん。

最後に、会館スタッフの間で人気No.1のキャラクター、
「宣教師オルガンヒキーノ」は茂山童司さん。

多くを語らずとも、上の写真だけでかなりの情報を
お伝えできたのではないでしょうか?
新作狂言「安土城ひみつ会議」好評です!
難しいことを考えず、
とにかく笑っていただける仕上がりです。
また、会場では、演目にちなんだ「お土産」も
例年の通り販売されています。
わたむきホール虹会場では「蒲生氏郷まんじゅう」や
「でっち羊羹」が並びました。

スタッフなのに演目の面白さに本気で笑ってしまい
会館スタッフの仕事をする幸せを感じた一日。
スタッフでさえ幸せならば、
お客様ならもっと幸せになって頂けるかと思います。
「おうみ狂言図鑑2014」
残り2公演もどうぞよろしくお願いします!!
気がつけばもう3月

この間、京都の高瀬川沿いの
柳の枝に葉っぱがちらほら、
顔を出しているのを発見しましたよ

さて、時間を10日ほど巻き戻して、
2月23日(日)のお話です。
このブログでも何度かお伝えした
「おうみ狂言図鑑2014」の
わたむきホール虹公演が無事終了いたしました。

会場に足をお運び下さった皆さま、
本当に、ありがとうございました。
しかし、「おうみ狂言図鑑2014」自体は
同じく終了した愛荘公演をのぞいて、
3月9日(日)の彦根公演、
そして3月23日(日)の東近江公演が
まだ控えています。
2公演とも、それぞれの会場でしか体験できない
見どころが満載!
なので、ひと足先に終了したわたむきホール虹の
会場レポートを見ていただき、
さらに、狂言の魅力を皆さまに
アピールしたいと思います!!
2月23日(日)、心配していた雪もふらず
幸先のいい「おうみ狂言図鑑2014」初日でした。
いよいよ本番、本ベルが鳴り、
ステージ上の能舞台が明るくなります。
そして登場したのがこの方…。
茂山茂さん。
茂山家の若手花形役者のお一人です。
この「おうみ狂言図鑑2014」では、
狂言をわかりやすく鑑賞してもらうため、
演目の前に、こうして役者さんによる解説が入ります。
(ちなみに、古典演目2作品と出演者、
そして解説の役者さんは会場ごとに変わります)
この役目、茂山家の衣装管理を完璧にこなすという
真面目で頼れる茂さんにぴったり!な気がします。
そしてお待ちかね。
古典演目の「二人大名」です。
左より茂山七五三さん、丸石やすしさん、
茂山あきらさん。
最初の演目から、茂山家を代表する
名優たちの登場です。豪華!!
お話は、都に上る途中の大名二人が
旅の途中で出会った男を家来に見立て、
刀を持たせたことから始まる一騒動。
役者さん三人の台詞まわし、呼吸の合い方は
もう名人芸です。
これが観られて嬉しいとしみじみ思うような舞台でした。
そして、次の古典演目「柿山伏」。
修行帰りの山伏。お腹がすいたので
そばの柿の木に登って柿を取っていると、
畑の主がそれを見つけます。
「よし、あの山伏をからかってやろう」と
畑の主は考えて・・・。
山伏は茂山童司さん。
その“センス”としか言えない台詞のテンポ、
そして動きの小気味よさで、
尊大な山伏を愛すべきキャラクターにしてしまいます。
増田浩紀さん演じる畑の主とのやりとりが楽しい!
古典2演目が終了し、いよいよ新作狂言の登場です。
つ・い・に!ベールを脱ぐときがきた、
2014年の新作狂言「安土城ひみつ会議」。
茂山家若手花形役者4名が演じる、
“パラレル大河狂言”。
さてさてその驚愕の内容は・・・!?
…と、このまま話を進めたいところなのですが、
あと2公演控えているので、
詳しいことはやはり「ひみつ」です。ごめんなさい。
そのかわり、登場人物を演じる役者さんの
写真を大公開してしまいます!
特に茂山家ファンの皆さま、これは要チェックですよ!
まず、シテ「明智ひでみつ」を演じるのは
茂山正邦さん。
そして「羽柴ひできち」を演じるのは、
おなじみ茂山宗彦さん。
日野出身の武将「蒲生氏郷」ならぬ、
「蒲生さとうじ」を演じる、茂山茂さん。
最後に、会館スタッフの間で人気No.1のキャラクター、
「宣教師オルガンヒキーノ」は茂山童司さん。
多くを語らずとも、上の写真だけでかなりの情報を
お伝えできたのではないでしょうか?
新作狂言「安土城ひみつ会議」好評です!
難しいことを考えず、
とにかく笑っていただける仕上がりです。
また、会場では、演目にちなんだ「お土産」も
例年の通り販売されています。
わたむきホール虹会場では「蒲生氏郷まんじゅう」や
「でっち羊羹」が並びました。
スタッフなのに演目の面白さに本気で笑ってしまい
会館スタッフの仕事をする幸せを感じた一日。
スタッフでさえ幸せならば、
お客様ならもっと幸せになって頂けるかと思います。
「おうみ狂言図鑑2014」
残り2公演もどうぞよろしくお願いします!!