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Posted by 滋賀咲くブログ at

2015年07月30日

【2015年度版】わたむきお化け屋敷新聞(その1)

みなさま、こんにちはkao05
「暑すぎる」「夜が寝苦しい」「もう夏バテ…」
ホールに来られるお客様からも、
こんな切実なお声を
ひんぱんに聞く今日この頃。


「何でもいいから、涼しいところに行きたい~kao09
ん?
ん??
何でもいいから、涼しいところに行きたい?


「冷たいものとか、
ひんやりするものが欲しいねkao_9
冷たいものとか、
ひんやりするもの…。


わたむきホール虹では、皆様がお求めの
「涼しい場所で、冷たくてひんやりするものを
思いきり満喫する」ことを
叶えて差し上げられますよ・・・kao_7


というわけで、お待たせしました。
今年の「わたむきお化け屋敷」が、
8月8日(土)9日(日)
15日(土)16日(日)

開催されるのに合わせて、
1年ぶりの
「わたむきお化け屋敷新聞」
お届けいたします。



Facebook上では書ききれない
お化け屋敷裏側のレア情報を
たっぷりお楽しみくださいね!



現在、着々と進みつつある
お化け屋敷建てこみ作業。
「今年の進み具合はいい!」
制作スタッフが自負するほど、
快調なペースでセットが出来ているようです。


(あろうことか、お墓に工具用のバッグが・・・。)


(ダンボール箱の中やコンテナ内にこういう方がいらっしゃるのは、もう当たり前すぎる光景です)


(多種多様なネジ・釘類。今年も工務店状態の制作チーム)


また、今回は特別に
日野中学校美術部さんに
セット内の「壁の一部」のペインティングを
お願いしており、
完成した作品が先日搬入されました。



(搬入の様子です)

スタッフも「頼んで正解!」とうなずく、
大変見事なアートに仕上がっています!!

しかし残念ながらここでは詳しく
お見せすることはできません。
どうやって見るのか・・・それはもちろん、
お化け屋敷にご来場頂き、
しっかり目を開けて、場内をくまなく
観察いただければ、

ご覧になることができますよ。
(意地悪ではありません)


こんな風にご紹介すると、
「今年のお化け屋敷、順調そう♪」
という印象を持っていただけるかと思うのですが
毎回、スタッフが絶対に
「生みの苦しみ」を避けて通れない
部分があるのです。

それは、お化け屋敷の命そのものである
〝怖い仕掛け〟をどうするかということ。


今日もカメラ片手に、お化け屋敷制作中の
ふれあいホールに潜入してみると・・・


過去のわたむきお化け屋敷に
全て出演を果たされている人気者、
〝美しすぎるろくろ首〟の
「お千代さん」
を囲んで、
何やら真剣に相談するスタッフの姿がありました。


(1年ぶりの再会です。お化け屋敷ファンの皆さん、「お千代さん」と名前を覚えてあげてくださいね)


〝今年のお千代さんの仕掛けを
 いったいどうするか〟

について、静かな作戦会議が始まっているのです。
存在感のあるお千代さん。
いい仕掛けを考えて、
ぜひお化け屋敷の中で輝いていただきたい。


(机の上に無造作に置いてあった写真。〝参考資料〟なのでしょうか?)


「こんな風にもできるんですよね」
おもむろにお千代さんを首と胴体に
分解してしまうスタッフ。
これは・・・ブログ上でしかご紹介できない
大変に珍しい光景です。




(こんな風にもなる。お化けは自由自在な存在です)


結局お千代さんはどんなことになったのか、
それは当日のお化け屋敷にて
確かめてみてくださいね!

それでは次回の
「わたむきお化け屋敷新聞(その2)」で
またお会いしましょう。


(スタッフの意見交換は続きます。意外に静かで真剣な現場なのです)  


Posted by わたむきホール虹 at 19:47Comments(0)お化け屋敷

2015年07月11日

「オーケストラ・ムジカ・チェレステ演奏会」レポート!

みなさん、こんにちはface01
台風が気になる今週。
しかし先週の日曜日は、
前日からの雨もいつの間にか止ませてしまうような
高気圧にも似た熱いコンサートが
わたむきホール虹で開催されました。

そうです。

「オーケストラ・ムジカ・
チェレステ演奏会」





2年に1度、わたむきホール虹でしか聴けない
特別なオーケストラの演奏会です。

来場いただいた方への感謝をこめて、
そして、行きたかったけれど
都合がつかなくて行けなかった・・・という方には
当日の空気感を少しでも感じていただくために、
7月5日(日)に開催された
演奏会のレポートを、
リハーサルの様子も添えてお届けします!



7月4日(土)。

2年ぶりに、わたむきホール虹の大ホールに
ムジカのメンバーが勢ぞろいしました。



まず「田園」のリハーサル。
ホールにこの名曲の草花の匂いを思わせる
旋律が響き渡ります。
管楽器のソロ部分も
ホールの一番奥まで音が飛んできます。
贅沢な時間!

そして今回注目の
新時代のヴァイオリニスト、
鈴木舞さんがステージに登場しました。



美しく、笑顔の素敵な鈴木舞さん。
しかし立ち位置が決まり、
メンデルスゾーンの傑作
「ヴァイオリン協奏曲」の第1主題を
奏ではじめたとたんに
表情と動きが一変します。


(一瞬で楽曲と同化してしまう鈴木舞さん。見ている側は思わず息を飲みました)

その後コープランドの珠玉の名曲
「静かな都市」のリハーサルを終えて、
ムジカ・チェレステのメンバーは
翌日の本番当日を迎えるばかりとなりました。

実は、ムジカ・チェレステでは毎回
わたむきホール虹入りをする前にも2日間、
KEIBUNホールで入念なリハーサルを
行っているんです。
これはプロ奏者で構成された
オーケストラとしては珍しいこと。
2年に1度集合する仲間たちが
納得がいくまで丁寧に時間をかけて、
演奏で目指すところをひとつにしていくのです。

「時間をかけたリハーサル」
お互いの信頼関係を強くしたメンバー達。
明日の演奏会が楽しみです!

***********************


さて、とうとう本番当日がやってきました。
2年に一度のプロジェクト「ムジカ・チェレステ」。
私たちスタッフも身がひきしまります。

この日を楽しみに、決してアクセスがいいとは
いえない日野町へ、遠方からいらしてくださる
お客様も多数。
そこでオーケストラの演奏をお待ちいただく間、
楽しい付随企画をご用意しました。

まずはKEIBUNプロデューサーの
宅間司氏による特別講座
「ベートーヴェンの交響曲」
です。
音楽史に輝くベートーヴェンの9つの交響曲に
ついて、
わかりやすく解説してくださいました。


(ご覧の通りの大盛況。宅間さんはベートーヴェンの生涯が一目でわかる詳細な年譜も、来場された方のために手作りしてくださいました)


そしてロビーでは、地元演奏家による
プロムナードコンサートが行われました。
出演は、桂田李花さん(ピアノ)
大村夢さん(ピアノ)
岡田真由子さん(ソプラノ)です。





いよいよオーケストラの演奏会が開演!
まずはアメリカの作曲家コープランドの名曲、
「静かな都市」が演奏されます。
作家アーウィン・ショウの同名の戯曲が
もとになっている楽曲で
大都会の夜に生きる様々な人々の
静かな思い、そして孤独を
ソロをとるトランペットと
コールアングレが代弁します。


(右側がトランペットソロを務めていただいた神代修さん。そして左側はコールアングレソロを務められた東近江市出身のオーボエ奏者、岡山理絵さんです)

続いては、
メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」
事前に鈴木さんにインタビューさせて
いただいた際、
「滋賀県には美しい琵琶湖がありますが、
メンデルスゾーンがこの曲を書く前後には
スイスのレマン湖の近くによく行っていた
そうです」

と言われていました。

本番のステージに
鈴木舞さんが身に着けてくださったドレスを
ご覧ください。



“ムジカ・チェレステ”の「チェレステ」という言葉も
「水色」という意味を持っています。

この日の鈴木舞さんの演奏は、確実に
お客様の心を深く捉えたようでした。
協奏曲終わりの休憩時間に
ホワイエに出てこられた方々が口々に
「すごかった」
「会場が水を打ったように静まりかえっていた」
とおっしゃっていました。


さて、お待ちかねのシンフォニーです。
ベートーヴェンの作品の中でもとりわけ
多くの方に愛される名曲、
交響曲第6番「田園」



指揮者の篠﨑靖男さんは
ムジカをはじめた頃から
「いつか日野町で『田園』を演奏したい」
と考えていたのだそうです。

そして、
「『田園』を聴いた後に、日野町の人には
自分たちの暮らしの周りに広がる田園風景を
もう一度見てもらいたい」

と仰っていました。

聴力を失ったベートーヴェンの心を
慰め元気づけたのは、
ウィーン郊外の田園風景だったそうです。
篠﨑さんは日野町に暮らす私たちに
「毎日見ている風景に誇りを持って
大切にしてほしい」
との思いで
『田園』をプレゼントしてくださったのかも
しれません。



多くのお客様に来場いただき、
大きな拍手をいただいたこの日の演奏会。
鈴木舞さんが
「ソリストとオーケストラはお互いの
相乗効果で楽曲をいいものにする」

と言われていたように、
演奏会は奏者と客席のお客様の
エネルギーの相乗効果で良いものとなります。
来場いただいた皆様には
この日の演奏会を良いものにしていただき
ありがとうございました。


次回は第10回目の演奏会となります。
どうか1人でも多くの方と
このメモリアルの演奏会の時間を
分かち合えますよう。

  


Posted by わたむきホール虹 at 12:06Comments(0)オーケストラ・ムジカ・チェレステ♪

2015年06月26日

【開催中】Yuki Tanida チョークアート展

みなさん、こんにちはface02
夏至を過ぎて、本格的な夏が目前ですね。
そして時々、“夕立”というにはかなり
激しすぎる雨が、
雷を連れて降ってきたりします。
「ゲリラ豪雨」という言葉が
すっかり定着した感のある近年。
お出かけの際には
お天気情報のチェックもお忘れなく。

さてさて。
現在、わたむき美術ギャラリーでは
本当に素敵な展覧会が開催中です。

Yuki Tanida 
チョークアート展

~印刷物のように完璧ではない、温もりある
指先で描くポップな絵~

6月18日(木)~7月12日(日)




チョークアートとはもともと、
オーストラリアで発祥した新しいアートの形。
15年ほど前から日本でも、
「黒板のようなものに上手で可愛い絵が
描いてあるお店の看板やメニュー表」

という形で
頻繁にその存在を目にするようになりました。
今回は、チョークアーティストとして活躍する
長浜市在住のYuki Tanidaさんの展覧会です。

Yukiさんのお写真はこちら。



なんと今回Yukiさんは、
会期中の毎日曜日の午後に在廊し、
作品制作の様子をライブペインティングで
見せてくださるんです。

早速、先日の6月21日(日)に
ギャラリーで絵を描いてくださったYukiさん。
通りがかる人々が、Yukiさんの作業を見ようと
次々に近づいてこられます。


(皆さんYukiさんの手元を真剣に覗かれています)

チョークアートについてのお話を
(ライブペインティングは
そのまま続けていただきながら)
ゆっくりと、Yukiさんにお伺いしました。


―この“オイルパステル”というもので描かれて
いくのですね。


Yukiさん「そうですね。これは一見普通の
クレヨンみたいに見えるんですけど、
値段は3倍近く違うんですよ。
クレヨンの形をした油彩みたいなものです」


―作品の仕上がりが綺麗なので、
パステルだけで描かれているというのが
すごいなと…。


「ぼかす部分や表面をなめらかに見せる部分は
オイルパステルで着色したあとで指を使います。
それからたとえばこういう犬の毛の質感なんかは
綿棒でぼかして表現したりしますね」



(綿棒は太さの違うものを持ってこられていました)


インタビュー中も、何人もの人がYukiさんの
周りに近づき、
絵が出来る過程を眺めていかれます。
Yukiさんは、見学の方から質問を受けられると
とても気さくに答えを返されますが、
手の動きは止めず、作品から目を上げる回数も
どちらかといえば少ないようです。
しかしそれは見る人の問いかけを拒む感じでは
全くなく、
ライブペイントのオープンな雰囲気と
作品に対する集中を両立させている、
自然な雰囲気が印象的です。


(「毛のふわふわと表面のつやつやの違いが面白いかなと、“犬とトマト”を描こうと思って」とのこと)

―1枚の作品を仕上げるのに、どれくらいの時間が
かかるものなのですか?


「作品の大きさにもよりますね。あと、デザインや
構図を決めるのが一番大変ですね。
それさえ決まって色を塗りだせば、
今描いているものぐらいの大きさなら
3時間ぐらいでできてしまいます。
…描いてると集中するので、3時間が30分に
感じたりするんですよ。
『あ、もうこんなに時間が経ってた?』っていう風に」


―子どもの頃に何かに集中していたとき、
そんな時間感覚があったような気がします。


「あ、そうそう。きっとそんな感じだと思います」



さて、現在“チョークアーティスト”として、
お店の看板や結婚式のウェルカムボード、
ペットの姿を作品にしてほしいという
依頼などを受け、作品を制作している
Yukiさんですが、
過去には大学で建築やインテリア、
カラーデザインを学んだのち、建築会社に就職。
その後はカフェの経営を、ごく最近まで
続けられていたそうです。


(経営されていたカフェで実際に使われていたチョークアートも、今回展示されています)

「でも、絵はずっと、物心ついたときから好きで
広告の裏なんかにしょっちゅう描いてたんですね。
子どものころの卒業文集には
“絵描きさんになる”って書いてたみたいです」


―チョークアートに出会われたのは、
カフェの経営がきっかけだったのですか?


「いや、もう普通にテレビで紹介されて
いたのを見て。
カフェとはまた関係なく、絵として、これを
やってみたいなと思って」





自分のお店を演出するための手段としてではなく
チョークアートそのものに魅せられ、
やがてYukiさんはアーティストとして
独立する道を選びます。

過去にYukiさんを通じ、作品制作を
体験して以来、
チョークアートのファンになったという方々が
会場にいらしてくださったので、
チョークアートが持つ魅力を伺ってみました。

「それまでチョークアートを見たことが
なかったので、
見た目がリアルなのに驚きました。
チョークアート制作を体験してから、
町の色々なチョークアートに
目がいくようになりましたね」




Yukiさん「チョークアーティストによって
   絵の個性も違うんですよね」


「自分では恐れ多くて、
それ以降は描いてないですけど」

―“恐れ多い”とは…。

「あの、すごく難しいんですよ。
油絵や水彩ならパレットの上で調色
(色の調子を見る)することが
できますが、
チョークアートは直接作品の上で
色を混ぜないといけないんです。
素人には難しい。
だから、(アーティストのことを)
尊敬しますよね」



Yukiさん「慣れればそんなに
難しくないんですが…。
やってると楽しいんですよ。本当に楽しい」



(これは・・・?そうです。アメリカの某有名メーカーのスープ缶。もちろんあのウォーホルのパロディーですが、よく見るとYukiさんならではのエッジのきいたアレンジが)


色鮮やかで、描くものをリアルに表現できる
チョークアートには、
人を明るい気分にする力があるのか、
今回の展示を見学されるお客様の表情は、
どの年齢層の方をみてもひときわ楽しそうです。
贈り物や看板としてのチョークアートが
人気の訳を肌で感じるような気がします。


Yukiさんにとって“チョークアートという仕事” とは
いったいどのようなものなのでしょう。

「お客さんの受注で描くということは、
“苦手なこと”もしないとダメなんです。
 自分だったら描かないものも描くことがある。
 それが自分の幅を広げてくれるんです。
 そのことにとても感謝しています」


「よく、好きなことが仕事になってしまうと
楽しくなくなるって言いますよね。
これは“仕事になっても楽しい”んですよ」





“ただ、私は描くのが好きなんです”
“今一番思っているのは、
もっと上手くなりたいということ。
そして(チョークアートが)
すごく楽しいということです”

質問をすると、Yukiさんは必ず
一度考えてから
率直で無駄のない言葉を
返してくださいました。

私の主観なのですが、
チョークアートという方法を選ばれる方は
「人を幸せな気持ちにする才能」のようなものを
持っておられるのではないかと感じました。
そして、その才能を持っている方々は
職業や年齢などは様々でもどこか共通して
Yukiさんのように、率直でシンプルな言葉を
選ばれるような気がします。




最後に、
来場される方へメッセージをいただきました。


「私は初めてチョークアートを見たとき、
こんなにカラフルな絵があるのかと衝撃を受けて、
やってみたいと思いました。
皆さんにも、私がそうだったように、
初めて見た瞬間の驚きを
ぜひ感じていただきたいです」



友人と来ても、家族と来ても、夫婦で来ても、
きっと楽しい時間を過ごせる展覧会です。
Yukiさんの手元で絵が生まれる魔法の瞬間も
ぜひご覧ください。

(6月30日(火)7月7日(火)は休館日です)


(Yukiさんのスタジオのマスコットキャラクター。作品にも登場しているスープ缶の上にて常時在廊中です!)







  


Posted by わたむきホール虹 at 14:23Comments(0)美術ギャラリー

2015年06月01日

【開催中】鳥本 潔 絵画展

みなさん、こんにちはkao05
日によっては、街をゆく人の姿が
タンクトップにビーチサンダルで
頭にはつばの広い帽子・・・と
もう夏サーフィンとしかいえない眺めになる今日この頃。
このあとに梅雨が来るなんて
何だか実感がわきません。

家の中が暑すぎて疲れる日には
気軽に来られる最高の避暑地、
わたむきホール虹の美術ギャラリーにて
美しい作品と静かに向き合うひとときを
お過ごしください。
新しい展覧会が始まりました。

鳥本 潔 絵画展
~時代とともに
変化していった絵画~

5月28日(金)~6月14日(日)




美術大学で絵を学ばれた後、
印刷会社でデザイン制作のお仕事をされ
その会社を退職された現在も画家として
活動を続けておられる
鳥本潔(とりもと きよし)さんの絵画展です。
鳥本さんのお写真はこちらです。




また、今回は賛助出品として、
日本画家の山田水雲さんによる
味わい深い書の作品が4点展示されています。



さて、繰り返しになりますが
今回の展覧会タイトルは
「時代とともに変化していった絵画」
というもの。
この言葉の意味は、
まず会場に足を踏み入れていただけば
お分かりになると思います。



制作年代によって、使用されている技法も違えば
画風そのものも大きく異なる様々な絵が
1人の画家の手による作品群として
展示されているからです。


(鳥本さん)「よく、『それぞれ違う人の作品やろ』って言われますよ」


鳥本さんの画風の変遷としては
大きく3つの時代があるようです。
まず1つめが、美術大学時代。
そして、デザイン制作をされていた時代。
最後に、現在。


変化を繰り返してこられた
それぞれの画風のお話を
ゆっくりとお楽しみください。



―こちらが、美大の頃の作品ですね―




「この頃は油絵をやっていました。
自分の好きな色を出すために、
ほとんど格闘していたような感じでしたね」



中学生の頃、水彩絵の具であまり水を使わず
絵を描いていたら
「油絵のようになっている。(画風が)ませてる」
と言われたことがあるという鳥本さん。
美大ではその油絵に思いきり取り組む日々を
過ごされたようです。


―色が渋いというか、何重にも重なった末の
色、という感じですよね―



「この色になるまでにね、
いっぱい絵の具を使ってるんですよ(笑)
もうこの時は必死でやってました」






絵に近づいてみると、
重ねられた絵の具の量と、筆やナイフの跡に
「格闘」の痕跡を見ることができます。


やがて大学を卒業される際、
鳥本さんが直面したのが、
就職の問題でした。


「ちょうどオイルショックの
時代にあたりまして
就職がないわけです。
美大出身で出来る仕事というので
ある印刷会社のデザイン制作の
仕事に就いたのですが」



その時代の作品がこちら。




「デザインの仕事は、23,4歳から
35、6歳までやっていました。
油絵からアクリルに転向したのは
この頃です。
この時代の間にデザイン展を
4~5回やりました」



―この頃の作品は先進的というか
挑戦的で大胆でもありますね―



「いや、この頃は子どももいたし、
デザインで食べていかなければ
いけませんでしたから必死でした。
当時の社長も、作品の出来で
仕事を評価する人でしたので。
またデザインは、それまでやっていた
洋画とはまったく違うものでした。
絵をやっていた分、何とかなると
甘く見ていた部分があったので、
大変でしたね」




(「道」をテーマにデザインを求められた際に制作されたもの。京都の「道」と、芸の「道」に励む芸妓さんが画面に配されています。)


鳥本さんがデザイン制作をされていた時代、
日本はバブルがもたらす好景気に沸いていました。
大胆で、遊び心を感じる作品の中に、
あの頃独特の空気感を
お感じになる方もいらっしゃるのでは
ないでしょうか。



最後に、10年ほど前から現在までの
作品についてお伺いしました。
今、鳥本さんは、日本画のモチーフに
心を寄せられているそうです。
今回、会場に訪れる人々の目を、
ひときわ惹きつけている作品がこちら。




「次女の成人式の姿です。
これは実際に着ていた着物とは
違うんですけれども。
着物のサンプルの中にあった柄で」


―色のトーンが明るく、軽くなっていますね。
構図に感じるデザインの感覚が、上品で素敵です―



「赤をこんなに強烈に描いたのは
はじめてですね。
成人式のときの娘の印象が強かったもので。
あと、今もアクリルを使っているのですが
もしデザインをやっていなかったら
アクリルを手に取ることはなかったです」



近年描かれることが多いという
「和」のモチーフについては
“(人物画なら)和装の微妙な色味を
表現するのが難しく、苦労します”

仰る鳥本さんですが、
“出したい色が出るまで格闘していた”
油絵の時代と比較すると
色が迷いなく、軽やかに選ばれている印象です。
また、構図も自然でありながら
インパクトの強いものになっています。



―学生時代、デザインの時代、そして現在と
絵をお描きになっている時の気持ちに
何か変化はありましたか?-



「うーん、今のほうが自由に表現できますね。
学生の頃は、与えられた課題を表現していました。
デザインをやっていた頃は、
テーマに沿ったものを表現しなければなりませんでした。
今は、自分の描きたいものを描けますから」



―手法や画法については、今の形が
今の鳥本さんにぴったり合ったものと
いうことですか―



「そうですね。今は主観がこういう絵の形です」




鳥本さんのお話の中で、新鮮に感じたのは
「画風や手法が変わること自体を
特別なこととは思われていない」
点でした。
それよりも、どの時代のお話をされる時にも
“必死だった”“格闘していた”と言われるのを
聞いているうちに
絵の形の変遷がそのまま、鳥本さんが
絵を描きながら手探りで探し当ててこられた
誠実な人生の道筋そのものに見えてきました。






最後に、来場される方にメッセージをいただきました。

「いろいろな作品がありますけれども
本当に、私1人が描いているものですのでね(笑)
いろいろな形の絵を、お楽しみいただけたらと
思います」



今回の展覧会、もちろん全ての年代の方に
お越しになっていただきたいのですが、
人生の忙しくも充実した時期をひと巡りされた
「大人」の方の目には、より作品が味わい深く
映るのではないかと思います。
ご夫婦で、ご友人同士で、またお一人でじっくりと
鳥本さんの絵をご覧になってみてください。



(賛助出品の山田水雲さんの書。精緻な筆で描かれる日本画とはまた趣のちがう、見ていると心がやわらかくほぐれるような作品です)


(6月2日(火)・6月5日(金)・6月9日(火)は休館日です)  


Posted by わたむきホール虹 at 17:40Comments(0)美術ギャラリー

2015年05月13日

【開催中】村田 秀穂 水墨画展

みなさん、こんにちはface01
時々雨に降られたりはしますが、
基本的にいいお天気にたくさん恵まれる5月です。
空は青いし、緑はきれいで、気温はちょうどいい。
GWは終わりましたが、お休みの日にはまだまだ
近くでのお出かけを楽しみたい気持ちになります。
こちら日野町も見どころがいろいろiconN37
有名な石楠花や藤の花の季節が終わっても
これからはブルーメの丘のバラの花ばらや、
雲迎寺さんの見事なサツキが
次々に見ごろを迎えます。
ぜひ日野町で、素敵な休日を過ごしてください!


さて、外でのお散歩を楽しまれた後は、
わたむきホール虹へもお立ち寄りくださいね。
美術ギャラリーにて新しい展覧会が始まりました。

村田 秀穂 水墨画展
~豊かな自然に恵まれ
感謝しながら・・・~

5月9日(土)~5月24日(日)




琵琶湖の西、高島市に居を構え
もう40年以上も水墨画を描き続けてこられた
画家、村田秀穂さんの展覧会です。
村田さんのお写真はこちらです。




また、今回の展覧会では、
日野町在住の水墨画家、野中南絢さんの作品も
賛助出品として展示されています。


会場に飾られた村田さんの画に見入ると、
心がしんと静かになります。
けれどもそれは決して淋しい感覚ではなく
静寂の中に、草木の気配のように柔らかで
豊かなものがたくさん息づいている、
といった印象を受けます。


作者の村田さんに、
ご自身の作品についてお話を伺いました。


―作品を見せて頂くと、画に宿っている「気配」
のようなものが、とても印象に残ります―



(村田さん)「そうですね、私はあまり
強烈な印象の画ではなく、
どちらかといえば穏やかな、
幻想的なもの、神秘的なものを描きたいと
思っています。
それから、墨の濃淡を大事に描きたいと」



―墨の濃淡・・・水墨画をなさる方は必ず
そのことを仰いますね―



「ええ。墨の濃淡を大事にというのは、
水墨画をやる人の使命だと思っています」




水墨画という手法では、
例えばそこに山があること、
水が流れていること、
その水の流れは粗いのか、穏やかなのか
風景の季節は夏なのか、冬なのか、
というところまで、全てを
“墨の濃淡”だけで表現します。
改めて考えるとすごいことだと思います。


その、墨の濃淡の世界の中で
今回ひときわ目につくのが、
琵琶湖の姿が描かれている作品です。




「この画は春雪の、芽吹きの頃の風景ですね。
私の家の近くの、安曇川岬から伊吹山を見た
画なんです」



―こんなに琵琶湖と伊吹山が綺麗に見える景色が
あるのですか!-



「ええ、ここはとても伊吹山が綺麗に見えますね。
ありがたいことです。
ここは私の一番好きな場所です。
安曇川から新旭にかけての場所なんですが」






「この、左側にあるのは柳の古木でして、
柳の古木と、母なる湖がそこにある。
この柳は葉っぱをたくさんつけるんですが
寒い時期に葉っぱを落とした姿が
気高く見えるんですね」


―私達は琵琶湖を知っていますので、
この画を見たときに「ああ、琵琶湖だな」と
わかる感じがあります。
もし、なんの予備知識もなくこの画を見たとしても
「海」を描いた画だとは思わない気がします―



「なかなか厳しい見方をなさっていると思います(笑)
そうです。海に見えてはいけないんです。
この画は、琵琶湖を描こうと思って
“母なる湖”なんてタイトルをつけてね。
画の前にタイトルを先に考えたものだから
画がなかなかうまくいかなくて
何枚も描いては失敗しました」



村田さんは、お話の端々で
琵琶湖をこのように形容されます。
“全てのものを育んでいる、あまりにも大きな存在”
“琵琶湖が一体どれだけの人を
楽しませているのかと思うと・・・”
“「マザーレイク」という言葉は、いったい
誰が考えられたのか。まさにその通りだと思う”

県の西北にある高島で、原風景とも呼べる
琵琶湖の美しい姿に接してこられた村田さんの
心象風景を垣間見るような言葉です。


展示作品の中心は琵琶湖をはじめとする
滋賀県の風景を描いた画ですが、
それ以外の場所を描いたものも数点、
出品されています。





「剱岳(つるぎだけ)です。立山の」


―映画にもなった、あの剱岳ですね。―


「こんな厳しい山はない、と言われる山です。
今まで何人遭難しているかわからない。
はしごや鎖を使って登るしかない所が
いくつもあるそうです」


「どんな風に描いたら怖く見えるかと思いました。
岳にはあらゆる方面から風が吹いています。
その風を画に入れたんです」





日本海からの風が、鋭い剱岳の先鋒に
人間が触れることをかたく拒んでいます。
先程の“琵琶湖”と、正反対の性格を持つ剣岳ですが
村田さんにとってはやはり剱岳も
“画を描くものとして憧れ”の対象なのだそうです。




再び湖西地方を描いた画へ戻ります。




村田さんは、ご自身の画を紹介されるとき
「こういう自然を残さなければなりませんね」
「こういう風景を残していかないといけないです」

そんな一言を、最後に添えられていました。


―やはり湖西にお住まいですと、
画にお描きになられているような風景が
だんだんなくなっていくことを、
肌でお感じになりますか―



「それはもう・・・。やはり若い人たちの
働く場所が、という問題がね。
働いて、子どもを育てていく環境となると
若い人たちがどんどん外に出てしまいますから。
例えば、こういう集落(の存続)が危ないですよ」







また、こうも言われました。


「滋賀県は、自然に恵まれています。
自然が美しくて、穏やかで、住みやすくて
どなたも憧れる県だと思います。
何も遠くの場所を描くことはありません。
水墨画であろうと、油絵や水彩であろうと、
滋賀県で画を描く者は、滋賀県の風景を
大切に描いていく必要があります」



村田さんにお話をお伺いした印象で
とてもはっきりとしていたことは
ご自身の画の技術的なことや
ご自身が画に込められた「想い」のようなことは
ほぼ全く話されず、
お話しになっていたことのほとんどは
画に描かれた風景が、いかにかけがえのない
大切なものかについてだった、
と、いうことです。


その対象を美しいと思い、
とても大切に思うから
きっと人は何かを画に描きたくなる。
村田さんが話されることは全て、
その単純で重要な核心だけを
示されているかのようでした。





最後に、これから会場へいらっしゃる方に向けて
村田さんより一言、メッセージを
頂きました。
「スケジュールの間で時間が取れましたら
土日はできるかぎり、ギャラリーの方へ
来させて頂こうと思います」



ぜひ、美しい画を眺めながら、
村田さんに琵琶湖や湖西の里山についての
お話をお聞きになってみてください。
その後、季節のいいこの時期に、
実際に琵琶湖まで足を伸ばされてみては
いかがでしょうか。
よく知っているはずの景色が、
心に深くしみこんでくるのを感じられるかも
しれません。


(賛助出品の野中南絢さんの作風は、村田さんとはまた個性の異なる、男性的な力強さをもったもの。筆の使い方や墨の濃淡の生かし方の違いを見てみてください)

(5月19日(火)は休館日です)  


Posted by わたむきホール虹 at 10:42Comments(16)美術ギャラリー